渋谷1期生
細井 優(ほそい ゆう) 様
profile
デリバリー&テイクアウトのサラダ専門店『サラド』代表
Red Yellow And Green株式会社 President & CEO
新卒からIT業界一筋で仕事に打ち込むが、ある出来事をきっかけに2016年サラダ屋に転身。美味しいから食べやすいサラダを通して、働く方々の生産性向上に寄与することを目標に事業展開を進めている。
私は元々アップルで営業をしていたのですが、同僚が狭心症という病気になり、お医者様に食事の改善を打診されたという話を聞いた事がきっかけで自然と自分自身の食事を見直すようになり、その翌年にサラダ屋を開業するに至りました。
自分が会社勤めだったという事もあり、主なお客様として考えていたのはオフィスワーカーでした。体を悪くした同僚がいましたし、忙し過ぎてランチタイムにエレベーターで下に降りて食事をする時間を取れないというケースもあり、オフィスで簡単に食べられるサラダでこのような人達の助けになれたらなぁという思いがあったのです。
そこで、オフィスワーカー向けに健康を作る手助けをしようと思いグーグル先生に相談をしていたところ「健康経営」というワードに出会い、日本の企業の中にひときわ健康に気を配る方々がいることを知りました。初めは「健康経営銘柄」が先に検索結果に出てきて、その銘柄を見るにつれ、いつか自分のサラダを健康経営銘柄の企業に納め、彼らの健康づくりの役に立つという目標を持つようになりました。
なぜ健康経営は必要なのか?
この質問が健康経営のプライオリティを定め渋っている方々の判断を鈍らせている理由の大きな要因になっていると思います。取組による経済効果等の情報が分からないとイマイチ重要性が分からないというのも大きな理由の一つでしょうか。このような状況により、多くの方々はこの取り組みにどの程度力を入れるべきか判断出来ないと思うのです。
こういった環境を改善する為、世の中の人に健康経営の価値を伝え、腹落ちさせて、健康経営を実施されやすいようにステークホルダーを上手く導いていくということまでを学べることと、副次的効果として志を同じくする意識の高い横の繋がりが得られるということこそがJWCLA講座の価値である、とうのが今回私が出席して感じた事でしょうか。
さて、前置きはこの程度にして本題に。
① JWCLAの講座のコンテンツ価値
■JWCLAとの出会い
私はお付き合いのあったDeNA社が自社のプレゼンティーズムによる損失が23.6億円/年もあると算出したという記事を見るというキッカケがありました。潜在的に存在する大きな経済損失の額と共に、健康関連の項目でこのように定量的な表現が出来るものなのかと衝撃を受けた記憶があります。
この記事が元となって、他の企業にも潜伏しているはずの大きな損失を意識するようになり、このような損失を軽減するために「サラダを通してオフィスワーカーの生産性を向上する」というミッションを掲げるに至りました。ミッションをあらたにする中で、健康関連の知識をつけたいと思い立ったというのが、今回の講座を受講する事を決めたというのが受講までの流れです。
■JWCLAの講座で学べる事
受講前は健康経営に関連する知識が得られたら良いなという漠然とした意識しかなかったのですが、講座では健康経営を推進するためにはどの様な取り組みが必要かという事についてカッティングエッジな健康経営を実践されている講師3名が実例をサンプルに説明をしてくれます。
例えば、
現場のモチベーションをあげるにはどうするか?
社内で協力者を作るには何をしたら良いか?
協力者及び取り組みの対象者に腹落ちしてもらうにはどうするべきか?
単純に健康経営とは何か?についての座学が続くのではなく、健康経営を会社にしっかりと根付かせるための実学を学ぶことが出来ます。これを日本でも数少ない先行事例を築いてきた講師陣が教えてくれます。事例があるという事はつまり良いサンプルと悪いサンプルが揃っているということで、やるべき事/避けるべき事の両面を学ぶ事が出来るということです。これによって取り組みの成功確率が高まっていきます。講師陣は平日の昼間からこの講座を開催しており、本業は別にあるわけですから、彼らの健康経営を世の中に浸透させるという意気込みと信念がヒシヒシと伝わってきます。
■講座でのプレゼンテーション
併せて、自分の取り組みアイデアを参加者及び講師陣にプレゼンする機会が得られるというのも重要です。アイデアは周りに共有しない限りは自分で考えられる領域を超えられません。JWCLAの講座では健康経営に関連するアイデアそのもの、及びその広め方/浸透のさせ方を周りに共有します。
結果的にアイデアの抜け漏れに対して講師陣や意識の高いメンバーからのツッコミが入るわけですがこれがキーになります。浸透しない可能性のあったプランが、周りに受け入れられるプラン、参加者が増えるプラン、効果のあるプランといったものに昇華されていくわけです。社内/社外にプランの説明をする際の練習にもなりますし、プランそのものも洗練され、これをより良いものに磨いていく場としても機能しています。
■健康経営の価値の再認識
冒頭にも書いた「なぜ健康経営が必要なのか?」の質問に対する回答を出していくということが可能です。経産省と東証が選ぶ健康経営銘柄のパフォーマンスに対しての理解や、前述のDeNA社の事例を知ると、オフィスというフィールドでベストのパフォーマンスを出し、結果的に企業価値を高めていくために必要な取り組みとして健康経営が重要であるということが理解できます。
アスリートが試合でベストパフォーマンスを出すためにコンディションを整える感覚で、働く人たちもオフィスというフィールドでベストパフォーマンスを出すために何をしたら良いかという考え方をすることが出来ます。今までは比較的ビジネススキルを付けるという「イチを二にする」取り組みに意識がいきがちでしたが、実はより良いパフォーマンスを出すために「マイナスをゼロにする」or「マイナスをプラス」にするためにコンディションを整えるという取り組みが健康経営を通して出来ることに気付けます。
「output = 生産性 x input(労働人口 x 労働時間)」という計算式があるのですが、人口減少と労働時間を減らそうという世相がある中で、生産性を高めるという取り組みは必須です。生産性を高めるための取り組みとして健康経営に取り組むということを理解出来ると、その価値を理解出来るようになります。
② 社外に向けて健康経営を発信したい方々にとっての受講意義
JWCLAはサービスをビジネスとして提供する側としての価値もある講座だと考えています。私の場合はサラダを通してオフィスワーカーの労働生産性を高めるということを念頭に事業をしておりますので、社内向けではなく社外向けの取り組みをすることになります。が、ここで教わるコンテンツは社内を説得、乗り気にさせるという取り組みですから、つまりお客様に対する姿勢と変わらないわけで、私のケースでも十分に転化可能である事を感じました。
副次的な効果としては社内で健康経営を推進していきたいと考えておられる方々の中に混じって意見交換できるというのも大きな学びだったと捉えています。まさに超重要な窓口になり得る方々の日々の悩みや課題を学べるわけですから、こんなに良い意見交換の場はありません。彼らが抱えている課題を解決出来るソリューションを考えればそれだけ良い取り組みになる可能性が高まるわけです。
こちらの講座に参加されている方は実は会社の経費対象ではないため自費で参加されているような”超”がつくほど意識が高い方も多くいらして、この意識からして学べる部分もありました。JWCLAの存在意義は講座で提供されるコンテンツを通して、この極少数の健康経営の重要性を信じている方々の数を増やしていくというところにあるのかなとも勝手ながら考えています。これが推進されることでサービス推進側も取り組みが進めやすくなると思いますので、JWCLAの今後の活躍を強く期待しております。